COLUMN コラム
弁護士座談会
座談会メンバー
菊間
本日はお集まりいただきありがとうございます。この座談会では、当事務所へ入所を検討されている方に向けて、当事務所のパートナー弁護士とアソシエイト弁護士の先生方に、それぞれ、就職活動当時や入所後の仕事などについてお話しいただければと思っています。早速ですが、当事務所を選んだ理由を、小澤先生から、お願いします。
小澤
様々な分野の業務を取扱っている事務所という点を重視していたのですが、その中で、当事務所は、製造、流通、電気通信等の業務分野における訴訟や企業法務、渉外案件のほか、例えば、エンターテインメント関連の業務を扱っているなど、様々な業務の取扱いがある事務所でしたので、その点が大きなポイントでした。また、働く環境という意味では、周りの弁護士と近い距離の仕事がしたいと思っていました。ですので、中規模の事務所で働くことができればと考えていたのですが、その点も当事務所へ入所したいと考えた一つの理由です。
菊間
エンターテインメント分野も含め、様々な業界のクライアントさんからお仕事を頂いていますよね。ありがとうございます。神原先生はいかがでしょうか。
神原
裁判に限らず、紛争解決の仕事をする弁護士になりたいという気持ちが強かったので、そういった紛争解決を特長としている事務所である点を重視していました。また、取り扱う分野を過度に限らずに仕事をしたいという思いもありましたので、様々な種類の案件に若いうちから取り組める当事務所が丁度マッチしたというところです。
菊間
実際に入所してみて、入所前に抱いていたイメージとのギャップはありましたか?
神原
ギャップはあまり感じなかったです。特に、チームで案件に取り組むという当事務所のスタイルは、就活時に聞いていたイメージどおりでしたし、実際に教えていただきながら案件に取り組めるという安心感がありました。
菊間
ありがとうございます。前里先生はなぜ当事務所を選ばれたのでしょうか?
前里
私は当事務所に入所して5年目ですが、当時、色々な事務所を見ている中で、訴訟を基礎に置く事務所に入りたいなと思っておりました。訴訟は弁護士しかできない職務であると思いますが、企業法務においても、訴訟から得られる知識や技術があると、クライアントさんへより質の高いアドバイスや情報提供ができるようになるのではと考えていたからです。そこで、企業間訴訟の取扱いを重視しており、かつ、中規模の事務所を探して就職活動をしておりました。実際に当事務所の面接を受けてみて、ほぼ全ての弁護士の方々とお話する機会を設けていただき、その中で風通しのよさを感じたことと、1年目から主体的に案件に取り組むと聞いたので、最終的に当事務所を選びました。
菊間
「風通しの良さ」という言葉が出ましたけど、いろいろな事務所を受けてみて、合うなとか、合わないなとか、面接で何か感じるところはあるものでしたか?
前里
そうですね。特に当事務所の面接では、履歴書の中でも人となりの部分についてよく質問された記憶があります。部活のこととか、多くのアルバイトをやっていたこととか、しっかり聞いていただき(笑)、そこから、弁護士になった後にこうした経験をどう活かせるかについてお話させていただきました。こうした面接でのやり取りから、人となりをしっかり見てくれて、新人の弁護士として入所した後も、先輩方に頼れたり、相談しやすい環境がある事務所なのかなと感じた記憶があります。
菊間
たしかに、当事事務所では、最終決定の手前で全員面接がありますからね。基本的には、採用面接を通して当事務所の全ての弁護士に会って頂くのが伝統スタイルです。もし当事務所にご応募いただける場合は、人となりの方をよく訊かれるということを頭においていただき、バイトの話とか部活の話とか、いろいろ準備してきて頂けると、盛り上がると思います(笑)。
■事務所での執務や環境について
菊間
次に、事務所での執務内容や環境についてお聞きしていきます。小澤先生はパートナー弁護士として、どのようなアソシエイト弁護士とお仕事をしたいと思いますか。
小澤
そうですね。基本的なことにはなりますが、やはり“報連相(報告・連絡・相談)” がしっかり出来る方ということが一番ではないかと思っています。能力という意味では、司法試験に合格したということは、法律家としての能力を十分に備えているということだと思います。ですので、私としては、その点が問題になるということはあまりないのではないかと思っています。あとは日々の業務に真面目に取り組んでいただき、その能力を高めていっていただければと思いますが、当事務所では、On-the-Job Trainingを通じて、入所して間もないうちから主体的に仕事を進めてもらうことが期待されています。その中で色々な案件を経験していただき、弁護士としての実力を高めていただけるのではないかと思っています。そのような中、複数の弁護士で案件を対応することが多くなりますので、私としては報連相をしっかりと行い、他の弁護士とコミュニケーションを図りつつ仕事をしていただける方が望ましいと思っています。
菊間
前里先生は、アソシエイトの立場として、どんなことを心掛けながら仕事をしていますか?
前里
当事務所に入所後すぐのころから、様々な案件を主体的に取り組ませていただいています。その際、自分で考え調査し、それでもわからない場合は意見を持って質問するよう心掛けております。最初は難しいことも多かったですが、自分のトレーニングになりますし、間違っていても先輩方は優しくアドバイスや添削をしてくれます。当事務所の特色として、意見が否定されず、いつでも丁寧に質問に答えてくれる風通しの良さがあります。自分の意見を尊重される環境である点がとても良いと感じています。
菊間
風通しの良さに関連すると、神原先生はランチ会や英語の会などを企画してくださったり、Slack(スラック)を導入して盛り上げていただいたりしていますね。
神原
当事務所には、カナダ人の弁護士がいるので英語力を鍛えたいという気持ちから、ランチ中に英語のみで会話するランチ会をできるだけ定期的に開いています。他にも、情報交換タイムというものも定期的に開催しており、そこでは自身が担当する案件や参加してきた研究会・研修内容を共有できる場になっています。また、Slackでは、案件とは全然関係ない、昼ご飯のリポートなどが今は盛り上がっていますね(笑)。情報交換タイムを通じて仕事のヒントをもらうことも多々ありますし、交流できる場は今後も作り続けていきたいと思っています。
菊間
あと、よく私が、「暑気払いやろう」とか、「新年会企画して」とか言うと、前里先生がぱっと動いてくださいますよね。ありがとうございます(笑)。
前里
主に、新年会と、夏に暑気払いとで、年2回は事務所全員参加の懇親会を企画させて頂いています。そういった面でも、弁護士間だけではなくて、弁護士とスタッフの方々との間でも、いろいろとお話ができる環境ですね。
菊間
今後、どんなイベントがあったら良いと思いますか?
神原
先輩には、弁護士である前に、ちゃんと人間というものを知らなければいけない、法律の世界だけにとどまってはいけない、とよく教えられました。なので、法律に限らず、興味の赴くままに、ゲストスピーカーをお呼びして、お話をする機会を作るのは楽しそうですよね。
前里
ちょっと気晴らしも兼ねて、例えばゼミでやるような判例の研究会みたいなものを、実務家ベースでやるというのも、ちょっと面白いかもしれないです。
菊間
確かに法律以外の世界を知ることは大切ですよね。当事務所には、ワインにこだわりがあるとか、野球愛がすごいとか、何かしら凝る人が多いと思うので、そうした趣味的要素のイベントを行いつつ、判例合宿をするというのも面白そうですよね。検討しましょう!
菊間
今度は事務所での働き方、プライベートと仕事の両立について伺いたいと思います。神原先生は、お子さん二人を育てながら執務されていますが、どのように仕事と両立されていますか?
神原
現在子育て真っ最中ですが、リモートワークが可能な環境が整っているので、なんとか仕事とのバランスを取っています。また、案件ごとにチームで仕事をする体制ですので、産休・育休中は、チームの方にはご迷惑をおかけしたと思うのですが、育休復帰後はこの制度のおかげで柔軟に働き続けることができました。特に、ボス弁の「弁護士も人間なのだから、出産もすれば、子供との時間を取りたい時期だってある」という理解が根本にあったのが、やっぱり大きかったと思います。
菊間
当事務所は、男性が比較多いのですけど、お子さんがいらっしゃる方も多いので、理解はあるのだと思いますね。
神原
子育てに時間も取られますけど、それがまた仕事に役立つこともたくさんあります。例えば、時間のやりくりについては訓練の連続です…。また、相手に分かりやすく説明することへの意識は高まりましたし、問題の根本が何にあるのか?子供が本当に怒っているのか、寂しくて怒っているのか?とか、原因を辿って行く力は仕事に通じるところがあると思います。
菊間
なるほど。子育ての経験が弁護士のキャリアにも活きていくというのは良い話ですね。前里先生は、プライベートでは、どんなことをしていますか?
前里
入所後2年目ぐらいまでは、起案や調査等をするのに時間がかかってしまうことから、比較的夜遅くまで働いており、なかなか自分のペースを掴むのが難しかったことを覚えています。それでも、私は英語が好きなので、土日や空いた時間は、英語の勉強をしたり、当事務所にいるカナダ人の弁護士と会話したりする時間は十分とれていました。また、英語の会議に参加したり、英文契約書を作成する等、英語を使う案件も多くありますので、毎回とても刺激になっています。その他、お笑いが好きなので、時間があるときはYouTube等を観て楽しんでいます。あと、映画館に足を運んで映画を観たりしています。
菊間
前里先生には、短期留学に行った際にFCI(フジテレビ系列のアメリカの放送会社)へも訪問していただいたのですが、とにかく前里先生のテレビ愛が凄かったらしく、FCIの人達がみんな喜んで感動していましたからね。ぜひ、今度テレビ局案件にも入っていただければと思います。
前里
そうだったのですね(笑)。是非、お願いします。
■キャリア形成について
菊間
続いて、入所後のキャリア形成についてお話を伺います。小澤先生は、何年目で留学に行かれたのですか?
小澤
私は、2015年の夏に留学したので、実質的に入所後8年目に留学へ行きました。入所前から漠然と留学をしたいという考えはあったのですが、それがより強い思いになったのは、当事務所で伝統的に行っている短期留学に行ったのがきっかけです。その短期留学では、様々な国の法曹関係者と交流する機会が多くあり、お会いした方々から刺激を受けるなかで、「長期的に留学したい」という思いが強くなりました。また、創業者の松尾先生に日頃から「外国に行きなさい」と何度となくおっしゃっていただき、長期留学がより現実的になったということもありました。仕事をやりながらの英語の勉強は大変でしたが、幸いアメリカのロースクールに合格することができ、留学をすることができました。
菊間
ロースクールの後に、研修もしてからの帰国でしたよね。
小澤
私の場合は、初めの1年間、現地のロースクールのLL.M.という修士課程で学び、そのあとサンフランシスコの法律事務所とロサンゼルスの法律事務所でそれぞれ半年間ほど研修させていただきました。ですので、合計すると2年強の間アメリカに行っていたことになります。
菊間
海外で勉強して米国弁護士資格を取って戻ってこられたあと、自分の弁護士としてのキャリアは、どのように変わりましたか?
小澤
やはり、渉外案件を担当する機会がかなり増えました。ただ、渉外案件と一括りにしても、実際は様々な国について、種々の相談があるということになります。海外の依頼者からのご依頼(インバウンド)であるか、国内の依頼者からの海外案件のご依頼(アウトバウンド)であるかにより、その性質も異なることになりますが、例えば、アウトバウンドであれば、国ごとの法律を調査し、理解する必要が生じるといった難しさがあったり、現地の法律事務所との連携をいかに円滑に行うかを考えることが必要になったりします。インバウンドにしても、相談をされる依頼者がどの国の方であるかによって法律に対する考え方も異なることがあります。そのような様々なバックグラウンドをお持ちの方々に対し、如何にして分かりやすく日本の法律を説明するかということで悩んだりすることもあります。このように、渉外案件には特有の難しさがあるという面もありますが、とてもやりがいを感じられる仕事だと思います。
菊間
なるほど。当事務所では、おおむね3年目での海外短期留学というのを伝統として全員に行ってもらっています。前里先生は昨年行きましたよね。どうでしたか?
当事務所では、毎年ダラスで行われるサマースクールに参加するケースが多いのですけれども、私はコロナの影響で1年遅れて4年目に参加しました。約20か国から40~50人の生徒が集まり、その半分が弁護士、もう半分が企業や官公庁のホームセクター部門からの参加者でした。5週間にわたるプログラムでは、アメリカの基本的な法律システムや基礎的な法律知識を学び、アメリカ法の考え方や法律実務家の働き方を理解する良い機会となりました。この経験は、当事務所での英語案件や国際案件にも活かされていますので、すごく良い経験でした。
菊間
ダラスから定期的に送られてくる前里先生の写真が、すごく楽しそうでしたもん。
前里
そうですね。本当に有難いことに、この5週間のサマースクールの前後に、当事務所の先生方と関係のある法律事務所への訪問も行っており、結果的に、様々な国の法律事務所を訪問したことで世界一周旅行となっていました(笑)。各国の法制度のことや、その国ではどういう法律問題がフォーカスされているかなど、現地のホットトピックに触れることができたのは貴重な経験となりました。
菊間
神原先生も行かれましたよね?
神原
はい、私は、ダラスに行ったあと、アメリカの7都市の法律事務所を肌で感じる経験ができました。
菊間
この短期留学については、その時々で、当事務所がどの国の事務所と仕事をしているかによって、ヨーロッパへ行ったり、アジアへ行ったり、訪問する国や事務所が変わってきます。私はキプロスに行きました(笑)。私達も行かせて頂いたので、新しく入所してくださる方にも必ず行って欲しいですし、伝統として残していきたい制度だと思っております。
■目指す弁護士像について
菊間
最後に、どのような弁護士を目指しているかについてお聞きしたいと思います。
前里
依頼者からの仕事をしっかりと遂行できる弁護士になりたいと思っています。当たり前なんですけど、でもそのためには、証拠に基づく事実の検討力及び事実に基づく法適用力といった基礎的な力が必要だと強く感じており、こうしたリーガルマインドをしっかり身に付けた弁護士になりたいと思っています。当事務所には、こうした基礎的なことを教えてもらい習得していける環境が整っていると感じていますので、自身の目指す弁護士像を目指して日々着実に頑張っていきたいです。特に、短期留学では、周りの方々はすでにプロフェッショナルとして一人前に活躍されている方も多く、それにとても感銘を受け、早く自分もプロフェッショナルとして一人前に仕事ができるようになりたいと強く思うようになりました。
菊間
留学してよかったですね。長期留学も考えていますか?
前里
まだ漠然とはしているのですけど、機会があれば行きたいと思っています。
菊間
はい。ぜひ御相談ください。神原先生は、どのような弁護士を目指していらっしゃいますか?
最近ですと、顧問として担当している会社に、ベンチャーや上場を目指している会社が増えてきました。こうした会社の案件は、緊急性が高いうえに、色々な要素が混在しているケースが多々あり、法律の原則論も通じない場合も多く、ビジネスのスピード感や実務を分かった上でのアドバイスが重要になってきます。こうしたビジネス感覚は弁護士に必要だと実感しているので、そうしたスキルを磨いて、ビジネスに寄り添える弁護士になりたいと思っています。
菊間
そうですよね。AIも普及してくるでしょうし、企業の法務部に所属する弁護士も増えてきていますから、普通に法律相談の回答をしているだけでは、法律事務所は衰退していきますよね。如何にビジネスに入って行くか、そのレベルで話ができる弁護士が求められていますから、日々勉強していかなくてはいけませんね。小澤先生はどうでしょうか?
小澤
一番に考えているのは、依頼者に満足してもらい、「小澤弁護士に頼んで良かった」と思ってもらえるような仕事ができればということです。依頼者からすれば、法務問題は自分ごとの重要な問題ですので、そこに対して誠実に向き合い、きっちりと対応していくことで、納得のいくリーガルサービスを提供していける弁護士でありたいと思っています。また、留学経験を活かして、例えば、中小企業の諸外国への進出等、企業のグローバル展開をサポートするニーズに、どんどん答えていきたいと思っています。また、近年では、環境の問題や国際情勢の問題などが非常に大きくなっていると思いますが、プロボノ活動もそうですし、弁護士として、何らかの形で社会に貢献することができればと思っています。
菊間
そうですね、当事務所では、プロボノ活動は積極的に推奨しておりますので、是非続けていってください。
私から、最後にどんな方に当事務所に来てほしいかというお話をさせていただきます。私自身、入所してから事務所を辞めたいと思ったことは一度もありません。一緒に働く仲間が大好きなのと、クライアントさんにここまで育てて頂いたという気持ちが強いので、事務所をさらに強くして、恩返しをしていきたいと思っています。弁護士はゴールがなくて、永遠に勉強をし続けなくてはいけない仕事です。だからこそ、向上心があって、好奇心旺盛で、何事にも積極的に取り組もうという意欲のある方に、ぜひ入所して頂きたいです。最初に入所する事務所って、大事ですから。ぜひ説明会にお越しいただいて、当事務所の弁護士や雰囲気を実際に見て、自分に合うかどうか吟味してください(笑)。素敵な未来の仲間にお会いできることを楽しみにしております。
全員
ありがとうございました。
以上